エンジニアと経営陣の想いをどう繋ぐか

エンジニアと経営陣の想いをどう繋ぐか。イベント推進委員会の取り組みを紹介。
シスナビでは毎月1回帰社日を設け、エンジニア同士が交流し会社の一員として共創する場を設けています。帰社日内のプログラムやイベントを企画運営するイベント推進委員会の取り組みについて、2名の委員のクロストークをお届けします。

M.Mさん:SI事業本部(ヘルプデスク業務)。2022年入社。
T.Sさん:SI事業本部事業部長。2019年入社。

ーイベント推進委員会とは

Q1 イベント推進委員会はどんなことをやっているんですか

M.M:イベント推進委員会では毎月の社員会のプログラム内で行うイベントや、BBQのようなレクリエーションを企画実行しています。
直近では9月にボードゲームで遊ぶ時間を設けました。あえて誰もやったことがないボードゲームを購入し、全員がルールを知るところから始めてランダムでチーム分けをしたのが工夫したところ。知らない知識がある中で社内外で初めて会う方と仕事について議論したり、実際に業務を進めなくてはいけないといった場面のロールプレイングにする狙いです。ゲームに置き換えてやってみよう、コミュニケーション能力を鍛えてみようという意図で実施した企画でした。

T.S:M.Mさんの企画の素晴らしいのは、会社としてイベントによって達成したいことや皆に感じてほしいこと汲んでくれている点。コミュニケーション能力向上や、横のつながりを感じられるイベントを盛り込んでくれているし、その後に普通に飲みに行って単純に楽しいというのも両方汲んでくれています。理解度も高いし、みんなが受け入れやすいような設計にしてくれていると感じています。

ーコアタイムの充実とエンジニア同士の癒し合いを大切にしています

Q2 社員会のプログラムは現在どのようなコンセプトで行なっているのでしょう?

T.S:現在、社員会3.0という立て付けで定義しています。ポイントとしては以下です。

  1. 社員同士の交流を深める
  2. 帰属意識を高める
  3. 成長機会の提供
  4. 業務へのモチベーション向上
  5. エンゲージメント強化

上記全てを同時に実現できるわけではないので、まずはできるところからやろうと。社員同士の交流を深める、帰属意識を高める、業務へのモチベーション向上、この辺りを中心に取り組んでいます。

Q3 社員会3.0にたどり着くまで、様々な苦労や試行錯誤があったと思いますが、そのあたりのストーリーをお聞かせください。

M.M:私は2.0の時代から知っているんですが、今まではなんとなくみんな集まってざっくりフリータイムや座談会をやったりという感じでした。交流する機会があるのは良かったんですが、座談会が終わったらなんとなくみんなでダラダラしてしまったり、誰が何時にくるのかわからないという状態でした。また、この時間は誰のなんのために設けているのか」がはっきりしておらずモヤモヤしていたのを覚えています。
※ 社員会は朝から帰社する社員もいれば、現場の状況によって途中から参加する社員、リモート参加の社員もいる
そこで、社員会3.0においては、フリータイムとコアタイムというシンプルな名前で、自由参加の時間と、絶対にこの時間は参加してほしいという時間の二つに分けました。コアタイムは15:00-17:30までなので、皆さんこの時間に向けてピンポイントに業務を調整しやすくなった実感があります。私としても、コアタイムにどれだけ濃密なことができるかをT.Sさんと話し合うことができるようになりました。
T.S:1日フルで社員会を開催していると、何かやらなきゃと無理な力が入ってしまうんですよね。今はコアタイムに一点集中すれば間違いないのがわかっているので、すごくプログラムの内容を設計しやすくなったと思います。
実施するプログラムに関しても、これまでエンジニアのみんなとはちょっと感覚がずれていたのかなと。経営サイドとしては社員会1.0、2.0の時から「帰社日も業務の一環だから何か成果を出してほしい」という思いがありました。だから、「実りある時間にするためにこういうことをやろう」みたいな感じで進めましたけど、経営サイドからの押し付けになってしまい「まあ言われたからやるか」みたいな感じだったのではないかなと、正直今は思っています。形はできたけど血が通ってない、借り物っぽい感じ。箱だけ用意してその中で動く。みんなのことを考えられていなかったかなという感じです。
例えば、何かこれについて考えようという社内課題を挙げてもクローズまで行かない。その場で問題提起して終わるみたいなことが非常に多かったです。今振り返ると、月一で集まって、その後何か責任が発生したり評価に関わるわけでもない部分を、クローズや改善まで持っていくのは難しかったと思います。だから、結局着地しないだろうという諦めも若干あったりして、不健全な惜しい状態になっていました。

M.M:とはいえ、今までの社員会の立て付けが全て悪かったわけではないと思っていて、それがあったからこそ必要不必要を精査できたのかなと。トゲトゲしていた石が丸みを帯びてきて、私たちに必要なコアな部分がちょっと見えてきたのが今だと思います。そのコアな部分に対して、私が社員の視点からこんなのやったらどうですかと提案をするようになったという流れです。

Q4 どんなことに特に気を配って社員会、イベントを運営していますか?

M.M:コアタイムの充実を目指しつつも、エンジニアの皆さんが帰ってきた感を感じてホッとするのも大切だと思います。だから、皆さんがコミュニケーションを取りやすい話の振り方だったり、絆を深められるような会話だったり、それこそ最近調子どうとお互い確認したりストレス発散みたいなことがまずできる場にしたいなと。その中で、さりげなくミッション・ビジョン・バリューの話を盛り込んでみたり、エンジニアとしてのナレッジについて話を伺ったりということは心がけています。

ー社員と経営陣が一緒にやることが大切

Q5 イベント推進委員会の取り組みに参画して自身が変化・成長した面があれば教えてください

T.S:現在進行形で変化を続けていますが、一番は「一緒にやる」ですね。枠組みだけ作るのではなく、まずその関わる人たちと話して思いを感じて決めていくことが大切だと思っています。
故野村克也さんが阪神で監督をやるにあたってID野球を掲げて入閣したわけですが、孤立してしまってうまく結果が出せなかったという話があります。当時阪神の選手は感覚で野球をする人ばかりだったので押し付けてもその時は全然変わらなかった、つまり大事なのは対話だと私は捉えています。何か正しいと思うノウハウを持っていたとしても、それを一方的に持ち込むのではダメで、「私はこっちの方が正しいと思うんだけど、君はどう思う?」というような、すり合わせる会話を大事にするように変化しました。

M.M:自分を振り返ると、以前は社員会に対して、一社員としての意見をぶつけるだけの人だったと思います。イベント推進委員会に参画することで、「経営側の目線」を持てるようになりました。会社が求めているものを把握した上で、それに応えるにはこういう手段がある、手段を社員の皆さんが求めているものにどう繋げるかという考え方ができるようになったのが一番の成長かなと思います。今まではその考え方ができなかったので、一方的に「これやりたい」とボールを投げて終わりになっていましたが、ちゃんと経営側とキャッチボールができるようになりました。

T.S:M.Mさんの言ってくれた「経営側の目線」といったフレーズは、今の時代ともすれば「社畜」とネガティブに捉えられてしまうかもしれません。でも、私はそう感じて欲しくはない。
もう、一生組織に所属しないと決めている人は関係ないと思うんですが、多くの人は人生の中で組織に所属する時もあるし、自分が組織を作る時もあるし、主導していく時もあると思います。だから「組織の中の人を活かすのにこういったことが大事なんだ」みたいなノウハウを感じることは無駄ではないはず。社員がそれを強く感じることができるような社員会・イベントにしていきたいですし、イベント推進委員会はそれを実行する当事者・企業人として成長できる場だと思います。

ーバリューの体現者として挑戦を続ける

Q6 イベント推進委員会のメンバーに相応しいペルソナを教えてください。

T.S:バリュー(価値観・行動指針)を体現してくれる人です。「一歩先へ、お客様や共に働く仲間のために、自分と向き合おう。挑戦しよう。成果を出そう。」というのが当社のバリューですが、M.Mさんは自分を育てるため、社員を育てるために挑戦してくれる人という印象があります。自分のためだけではなく誰かのためになるという利他の精神を感じる。その上で自分がやりたいことも実現していく姿勢が素晴らしいなと思います。

M.M:ありがとうございます。イベント推進委員会をやらせていただく中で、それが人のためにもなり自分の成長にもつながれば良いなと思っています。こういう委員会で皆さんと関わりを増やすことで、学ぶことがすごくたくさんあると思っているので。今年の私のモットーは挑戦の「挑」の字なので、まさにイベント推進委員会がチャレンジの場になっています。

ー人や組織文化という側面の魅力が詰まっているのが帰社日

Q7 今後イベント推進委員会として、社員会やイベントをどんな場にしていきたいですか?

M.M:やっぱり、まずはみんなが帰社したいなと思える会であってほしいし、仲間と癒し合える時間になってほしいとも思います。その上でコアタイムを活用して会社のことや、自分が置かれている環境をより良くするための、いわば会社や組織作りを学べる場にできたら良いなと。チームの輪を強くしつつ、人間力も高められる、そんな有意義な時間にしたいなと私は考えています。

T.S:「帰社」とは普段現場に常駐しているエンジニア社員のためにある言葉なので、やっぱり帰りたいと彼らが思える場であることは大切だと思います。会社に在籍している理由は待遇だったりキャリアプランやスキルアップという側面の比重は大きいと思いますが、それだけではないじゃないですか。人や組織文化という側面の魅力が詰まっているのが帰社日だと思うので、イベント推進社員会がそういう時間を作っていきたいですね。

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